John 1

1初めに言葉
1.1 原語「ロゴス」というギリシャ語は、意味が広い。言葉、説明、理性、話題、メッセージ、考えなどの意味がある。
あり、言葉は神と共にあり、言葉は神であった。
2この方は、初めに神と共におられた。 3すべての物は、この方によって造られた。そして、この方によらずに造られた物は、何一つなかった。 4この方に命があり、その命は人間の光であった。 5また、その光は暗やみの中に輝いておられる。そして、暗やみは光を理解しなかった。 6神から派遣された人がいた。彼の名前はヨハネであった。 7この人は、光について証をするための証人として来た。それは、すべての人がこの光を通して、信じるようになるためである。 8彼はその光ではなかったが、その光について証するために派遣されたのである。 9それは、この世に来るすべての人を照らす真の光である。 10光はこの世におられ、世はこの方によって造られたのに、世は彼を知らなかった。 11この方はご自分の民の中へ入って来られたのに、ご自分の民は彼を受け入れなかった。 12しかし、この方を受け入れた一人一人、すなわち、彼の御名を信じた人々には、神の子どもとなる権利を、この方は与えられた。 13その人々は、血から生まれたのではなく、肉の意志や、人の意志からでもなく、神によって生まれたのである。 14そして、言葉は肉体となり、私たちの中に宿られた。私たちは、その方の栄光を見た。それは、父の唯一の生まれた御子息としての栄光であり、恵みと真理に満ちておられた。 15ヨハネはこの方について証をし、大声で言った。「『私の後においでになる方は、私に勝る方である。私より先におられたからである。』と、私が言ったのは、この方のことです。」 16そして、私たちは皆、この方の満ちあふれている中から、恵みの上に恵みを受けた。 17というのは、律法はモーセを通して与えられたが、恵みと真理はイエス・キリストを通して生まれたのである。 18人は、未だかつて神を見た者は一人もいない。父のふところにおられる唯一の生まれた御子息が、父のことを明らかに話されたのである。 19さて、ユダヤ人たちがエルサレム
1.19 イスラエルの首都。
から、「あなたは誰ですか。」と問うため、祭司たちとレビ人たちとをヨハネの所に、派遣した時であった。次のことは、その時のヨハネの証である。
20そして、彼は否定せずに、「私自身は、キリストではありません。」と言い表した。 21そこで、彼らはヨハネに尋ねた。「では、何ですか。あなたはエリヤですか。」しかし、彼は言った。「そうではありません。」「あの預言者ですか。」しかし、彼は答えた。「違います。」 22そこで、彼らはヨハネに言った。「あなたは誰ですか。私たちを遣わした人たちに答えを持ち帰らなければなりません。あなたは自分を何だと言っているのですか。」 23彼は続けて言った。「私は預言者イザヤが言ったように、『主の道をまっすぐにしなさい。』と、荒野で叫び続けている者の声です。」 24派遣された者たちは、パリサイ派に属している者たちであった。 25彼らはまたヨハネに尋ねて言った。「では、もしあなたがキリストでも、エリヤでも、あの預言者でもないのなら、なぜ浸礼を授けているのですか。」 26ヨハネは彼らに答えて言った。「私は、水の中で浸礼
1.26 ギリシャ語のバプティゾの根本的な意味は、「浸す、漬ける、沈める」である。(「新約聖書ギリシャ語小辞典」、織田昭編、58ページ)。
を授けているが、あなたがたの中に、あなたがたの知らない方が立っておられます。
27その方こそ、私の後においでになっているのに、私より前に存在しておられた方です。私自身は、この方の履き物のひもを解く価値もありません。」 28これらのことは、ヨハネが浸礼を授けていたヨルダン川の対岸のベタバラで起こった。 29その翌日、ヨハネは自分の方に来られるイエスを見て言った。「見よ、世の罪を取り去る、神の子羊を! 30『私の後においでになる方は、私に勝る方です。私より先におられたからです。』と、私が言ったのは、この方のことです。 31私はこの方を知らなかったが、この方がこれを通してイスラエルに明らかにされるために、私自身が来て、水の中で浸礼を授けているのです。」 32ヨハネは、また証をして言った。「私は、御霊が鳩のように天からおりてきて、この方の上におとまりになるのを見ました。 33私は、この方を知りませんでした。しかし、水の中に浸礼を授けるようにと私を遣わされた方が、私に言われました。『御霊がおりてその方の上にとまるのをあなたは見る。その人こそ、聖霊によって浸礼を授ける方である。』と。 34私はそれを見ました。それで、この方こそが、神の御子息であられると証をしたのです。」 35その翌日、ヨハネはまた、自分の弟子の二人と共に立っていた。 36そして、イエスが歩いておられるのを見て、言った。「見よ、神の子羊を!」 37そこで、ヨハネの二人の弟子は、彼が話しているのを聞いて、イエスについて行った。 38すると、イエスは振り向き、彼らがついて来るのを見て、彼らに言われた。「何を求めているのですか。」彼らはイエスに言った。「ラビ(訳すると、先生)、あなたはどちらにお泊まりですか。」 39イエスは彼らに言われた。「来て、見なさい。」彼らは行って、イエスの泊まっておられる所を見た。そして、その日は、イエスと共に泊まった。第十時間目ごろ
1.39 今の時計では午後四時ごろを指す。当時の人は昼の時間を朝六時から、その時間を数え始め、夜六時まで十二時間数えた。
であった。
40ヨハネの話しを聞いて、イエスについて行った二人のうちの一人は、シモン・ペテロの兄弟アンデレであった。 41この人はまず、自分の兄弟シモンを探し出して彼に言った。「私たちはメサイア
1.41 油を注がれた者。すなわち、民を導くために神から遣わされた者。
(訳すると、キリスト)を見つけた。」
42そして、シモンをイエスの所に連れて行った。そして、イエスは彼に目を注いで言われた。「あなたはヨナの息子、シモンです。あなたは、ケパ
1.42 「ケパ」は、アラム語で「石」を意味し、「ペテロ」はギリシャ語で「石」を意味している。
(訳すると、石)と呼ばれます。」
43翌日イエスはガリラヤへ行こうとし、ピリポを探し出して、彼に言われた。「わたしについて従いなさい。」 44さて、ピリポは、アンデレとペテロの町、ベツサイダ出身であった。 45ピリポは、ナタナエルを探し出して彼に言った。「私たちは、モーセが律法の中に書き、また、預言者たちも書き記した方に出会った。ヨセフの息子で、ナザレ出身のイエスだ。」 46すると、ナタナエルは彼に言った。「ナザレから、どんなよいものが出ることがあり得るだろうか。」ピリポは彼に言った。「来て見なさい。」 47イエスはナタナエルが自分の方に来るのを見て、彼について言われた。「見よ。真のイスラエル人です。彼の中には、いつわりがありません。」 48ナタナエルはイエスに言った。「どうして私のことを知っておられるのですか。」イエスは答えて彼に言われた。「ピリポがあなたを呼ぶ前に、わたしはあなたがイチジクの木の下にいるのを見ました。」 49ナタナエルは、イエスに答えて言った。「ラビ、あなたは神の御子息です。あなたはイスラエルの王です。」 50イエスは彼に答えて言われた。「わたしがイチジクの木の下にいたあなたを見たと言ったので、あなたは信じますか。あなたは、これよりもっと偉大なことを見ます。」 51イエスは、また彼に言われた。「まことに、まことに、あなたがたに言います。これからあなたがたは、天が開いて、神の御使いたちが人の子の上を昇り下りするのを見ることになります。」
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